投稿日:2023年2月1日 | 最終更新日:2023年12月13日
インプラント治療ができないと言われた方へ
インプラント治療ができないと言われ、納得ができずに、いろいろ調べてこちらの記事にたどり着いて頂いたのかもしれません。
インプラント治療ができないと言われたショックから、どうしてインプラントの治療ができないのかを理解できずに、ご自宅に戻られた方も多いのではないでしょうか。
ではなぜ、インプラント治療ができないのでしょうか?
・インプラント治療ができない詳しい理由
・歯科医院側の決断
・どうしても納得のいかない方へ
今回は、こちらの順で、お伝えして行きます。
〜インプラント治療ができない理由〜
・顎の骨が足りない…
インプラント治療は、顎の骨の質と、量がとても大切になってきます。
顎の骨の厚み、顎の骨の高さが必要で、インプラント体と呼ばれる、人工歯根が顎の骨の中に十分埋まっている状態ではないと、インプラントを維持することができないからです。
難しい状態の顎の骨でインプラント手術を無理に決行しても、インプラントがうまく顎の骨にくっつくことがなく、インプラント治療は失敗に終わってしまうからです。
必要な骨量は歯科医の技量にも寄ります、また骨が無ければ骨を作る技量があれば可能となります。インプラント専門医に御相談下さい。
・ あごの骨の中を通っている神経に近かった
顎の骨の量が足りないと、特に下顎の場合には、下顎管という、太い血管と神経が通っているところがあります。そこの部分にインプラントが触れてしまうと 神経が傷ついてしまい 、顔に麻痺が残ることがあります。さらには、太い血管を傷つけて、大出血をする可能性があります。
繊細な手術はインプラント専門医にお任せ下さい。
・ 全身の健康状態がよくない
インプラントの手術をする際に 健康状態が良好ではないと、手術ができない場合があります。現在抱えている、全身的な疾患や、慢性的な病気、継続した服薬があるなど、インプラントの手術をした際に、感染を起こす可能性があります。インプラントの手術が失敗に終わるだけではなく、全身に影響を及ぼし、敗血症などの重篤な症状を引き起こす可能性もあります。ですので、全身の健康状態が落ち着いて、治療ができるようになってからのインプラント治療をお勧めします。
・骨の状態が良くなく、骨造成も難しいと言われた
顎の骨の量が足らない場合に、人工骨を顎の骨に盛り足して、インプラントを入れる手術を行うことがあります。ですが、術者の技量が低いと人工骨を入れても回復が見込めない場合があります。
患者様に痛い思いをさせるだけではなく、人工骨がくっつかないことにより、歯肉の治りが悪く、さらにはその骨を取り出す手術になってしまう可能性もあります。治りが悪いところから、感染する恐れもあります。
〜歯科医院側の決断〜
患者様のことを考えた治療計画、インプラント治療の施術をおこなっている歯科医院では、まず患者様に無理をさせること、危険を伴う手術には、慎重に対応しています。
どんなに患者様の強い希望だとしても、手術で体にかかる負担や、感染のリスクを背負わせることを考えると、命に関わるので、リスクがある挑戦はしない。ということを第一に考えているはずです。
断られたのは、歯科医院の技術力が足りないからではないか?と憤慨する方のご意見もよく分かります。そのようなケースも多いですが、治療を行わないと判断することは、患者様のためを思っての判断だということ、責任ある行動を取ったのだと、ご理解いただけると幸いです。
セカンドオピニオンとしてインプラント専門医に御相談下さい。
〜どうしても納得が行かない方へ〜
セカンドオピニオン
頭では理解ができたけど、ほかの歯科医院ではやってもらえないだろうか?
と考える患者様も多いと思います。
そのためにも、セカンドオピニオンはとても重要な手段です。
セカンドオピニオンは、さまざまな考えを持つ歯科医師と話をする機会が持てるので、インプラント治療が難しいとしても、他に納得のいく治療方法を提案してくれる場合も多く有ります。
かかりつけの先生に悪いから…と、セカンドオピニオンを活用されない患者様も居ますが、そんなことはありません。権利としてあるものですので、ぜひセカンドオピニオンを活用してみてください。
監修 大串 博
歯科医師臨床研修指導医
日本歯周病学会 専門医
日本口腔インプラント学会専門医
日本臨床歯周病学会 歯周病指導医・認定医 ・歯周インプラント指導医
日本顎咬合学会 認定医
日本アンチエイジング歯科学会認定医
日本歯科医師会認定産業歯科医
インビザラインダイヤモンドドクター
日本審美歯科学会会員
日本血液学会会員
点滴療法研究会会員 高濃度ビタミンC点滴療法認定医
日本歯科医師会会員
「鬼手仏心」
歯科医になった時からの座右の銘です。
生涯常に研修・精進、メスを置くまで終わりのない道を登り続けます。