投稿日:2023年1月16日 | 最終更新日:2023年9月10日
インプラント実際の成功症例をご紹介
患者さんに取ってインプラント治療に踏み切る時、決心するときにはとても勇気が必要です。
そこで、背中を押してくれるものは、成功例を知る事だと思います。
ご自身と近い症例であればあるほど、とても親近感を持ちますし、いろいろと知っておくことで、安心材料になると思いますので、いくつかお伝えいたします。
・上の前歯のケース
30代女性、階段で転倒し顔面を強打。その際に、前歯2本を損傷。1本は欠けてしまったものの、とても小さい欠け方で、レジン修復で済む程度のもの。もう1本は歯肉の中から歯が折れてしまい、その歯は保存しておけない状態で、すぐに抜歯が必要であった。
正面の中央の前歯なので、歯が抜けたままの状態にはしておけない。ブリッジにするか、インプラントにするか、という2択で悩んだ結果、周囲の歯は治療した歯がほとんどなく、ブリッジで隣同士の健康な歯を削ることにとても抵抗を覚えたので、インプラントにすることを決意。
来院当日に治療方針を決定し、抜歯する予定の歯が揺れて痛みが出ないように、両隣の歯に固定をし、仮歯作成のための型取りをして、帰宅。
翌日には緊急手術枠で抜歯即時インプラントという方法でインプラント手術を行い、仮歯を接着し、帰宅。
その際の手術で、前歯が折れていなかった頃の写真をもとに、前歯の歯並びや歯肉の盛り上がりの程度を見て、人工骨を造成する処置や、歯肉が退縮しないような処置を行い、無事に手術は終了。
その後、経過を追いながら半年後に上部構造(被せ物)を製作し、両隣の歯と遜色ない、どこが治療した歯か分からないほど精巧な前歯が完成し、本人とご家族も喜んでくださった。
という症例がありました。
上の前歯の症例は、とても審美性にこだわる治療です。歯肉がインプラントのところだけ退縮してしまっては、バランスが悪くなってしまいますし、インプラントを埋め入れる位置も、とてもシビアになってきます。顎の骨の厚さにも関係しますが、数ミリ単位で歯肉に微妙な凹みが生じ、影を落としてしまう、歯肉が黒く見えてしまう恐れがありますので、とても慎重になる手術です。専門医の腕の見せどころです。
・下の奥歯のケース
40代男性
以前より経過を追っていた、第一大臼歯の歯根破折のヒビのラインが鮮明になり、痛みが出てきてしまったために、この歯の保存は難しく、抜歯となった。
以前より、この歯の今後について話し合いをしていたが、治療している歯も少ないので、ブリッジは考えたくない、入れ歯も入れたくない、インプラントに興味があるので入れてみたいとのことで、日取りを新たに決め、抜歯即時インプラントとなった。
抜歯はすぐ終わり、歯の根に病巣ができ始めていたところをきれいに取り除き、そこには人工の骨を造成してインプラントを埋め入れ、インプラント手術は成功した。
その後、約3ヶ月の間も特に問題なく、インプラントの上部構造の製作に取り掛かった。
第一大臼歯が破折してしまった原因は、繰り返した根の治療と、拡大しすぎた根管というのもあるが、そのほかに考えられる要因は、噛み合わせる力の強さ、歯ぎしりなどがあるということがわかっていたので、就寝時や集中している最中、運動中にはマウスピースを入れ、定期検診事の噛み合わせの調整も行なった。治療終了後の6年が経過している状態でも、経過は良好だ。
このように、さまざまな状態でインプラントの治療に至った方はたくさんいらっしゃいます。思わぬ怪我で、選択をせざるを得ない状況に立たされ、インプラントを決断するという事は、意外と無いようで有るお話です。この方は、痛い思いをするなら1回で良い、というご希望からインプラント治療を行いましたが、大抵の方は一度、持ち帰り、ゆっくり考えてから決断される方の方が多いです。
焦らず、納得のいくようにご判断をしていただければと思います。
インプラント実際の成功症例についてご紹介してまいりました。ご参考になれば幸いです。