投稿日:2023年1月16日 | 最終更新日:2023年9月10日
インプラント再手術は可能?再手術が必要なケースとは?
今入れているインプラントがダメになってしまったら、どうすれば良いですか?
またインプラントは出来るのでしょうか?
今回は、インプラントについて不安をお持ちの方からのご相談です。 今お口の中に入っているインプラントが、万が一ダメになってしまったら…
考えたくはありませんが、インプラントの周囲の歯肉が部分的に腫れてしまった場合や、お知り合いの方のインプラントがダメになってしまった話を聞いて、怖くなってしまったという方も、少なくありません。
では実際に、
・インプラントを再手術する場合はどんな時?
・インプラントの再手術は可能なのか?
・インプラントの再手術が必要なケースはどんな場合なのか?
こちらの3つについて、詳しく解説していきます。
〜インプラントを再手術する場合はどんな時?〜
・インプラント周囲炎が起きた時
…インプラントとその周囲の組織が炎症を起こし、顎の骨が溶け、インプラントの周りが腫れ、痛みを持ち、グラグラとしてくる症状です。インプラントの周囲に細菌が溜まり、炎症を起こすことがほとんどですので、定期的なメンテナンスで清潔にできて居なかった場合や、体の抵抗力が落ちて、インプラント周囲に炎症が波及する場合があります。
・インプラントの破損
…咬合があまりにも強いなどの影響で、インプラントの内部被せ物との接続部に近いところが折れてきてしまうことがあります。もともと噛み合わせが強い場合や、定期健診での来院が遠のき、インプラントの噛み合わせが調整できなかった場合に発生することが有ります。
〜インプラントの再手術は可能なのか?〜
インプラントの再手術は、多くの場合に可能です。今週もその対応があります。
お口の中の状況は、人それぞれ違いますので、一概にみなさん大丈夫です、とは明言できません。
多くの場合に再手術は可能、ということですが、再手術をする際には一定の条件が揃っていることが大切です。
・インプラント周囲が清潔な状態が保てているかどうか?
・定期的なメンテナンスに通院することが可能か?
・全身疾患などのご病気は発症して居ない健康な状態か?
・インプラントを入れることができる状態の顎の骨か?
これらの状態が全てクリアできていれば、インプラントの再手術は可能です。
ここで実在するケースで、インプラントの再手術ができなかった方の例をご紹介いたします。10年ほど前に入れたインプラントの周囲の骨が溶け出しており、インプラント周囲炎が波及して、じっくりと周囲の顎の骨を溶かしてしまっているお口の中の所見でした。インプラントも除去しなければなりませんでした。
インプラントを除去してから、数ヶ月後に骨を造成し、インプラントの再手術を予定しよう、と計画を立てている途中で、全身疾患が悪化し、出血を伴う手術は出来ない状態になってしまった方もいらっしゃいます。こうしたケースは可能性としては有る、ということを頭に入れていただければと思います。そのくらい、健康状態にも大きく関与してくるのがインプラント手術だということをご理解いただければと思います。
〜インプラントの再手術が必要なケースはどんな場合なのか〜
現存していているインプラントがどうして取り除かなければならなくなってしまったのか?という理由が明確な場合の方が、次回に再手術を行った後もリカバリーしやすいです。
原因がある程度追及できている場合で、再度方法を変えて同じ場所にインプラント治療を行ったとしても、患者さんが以前の生活と同等、あるいは以上の状態で生活ができる場合に再手術が必要だと言われています。
インプラントが脱落する前の自覚症状は下記の状態です
・インプラントに動揺(目に見える揺れ)が起きる状態
・インプラントの周囲が赤く腫れ、熱を持ち、痛みを伴う状態
・インプラント周囲から膿が出続けている状態
・インプラントの入っている方で物を噛めない状態
・インプラント周囲に歯ブラシを当てるとすぐ出血する状態
このような自覚症状が起こり、その後レントゲンなどの精密検査を行い、インプラント周囲の骨が溶けているなど、顕著な症状が出ている場合には、インプラントを取り除き、その周囲の骨の表面をきれいにします。その状態から失った分の人工骨を造成し、数ヶ月後に骨が安定したらインプラント再手術を行う場合が多いです。
いかがでしたか?
インプラント再手術は可能?再手術が必要なケースとは?についてお届けしました。参考にしていただければ幸いです。
多くは、設計ミス、手術ミス、補綴ミス等々のエラーがからんでる場合が多いです。
出来るだけ再治療が少なくなるように、インプラント専門医に御相談下さい。